ランドセルの部位名称、今回は「カブセ」を取り上げます。カブセとはランドセルの口を覆う蓋のことですが、「全カブセ」や「半カブセ」といった種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なるのです。
当記事ではカブセの機能や素材、書くタイプのメリット・デメリットを解説いたします。
全カブセと半カブセどっちがいい?それぞれの特徴やメリット・デメリット
カブセはランドセルの中身が外に出てしまわないようにする蓋のことで、漢字で「冠」と書きます。
素材としては人工皮革、牛革、コードバンのいずれかが使用されることが多いのですが、耐久性をアップするために、カブセの裏側に豚革を使用している製品もあります。
豚革は摩擦に強く耐久性が高いため、勉強道具と直接触れることになるカブセの裏側や、ランドセルの内張りにはぴったりの素材です。耐久性で選ぶのなら、ランドセルの内側に豚革が使用されているかどうかを確認されるとよいでしょう。
さて、このカブセには「全カブセ」と「半カブセ」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
まずは「全カブセ」の特徴と、メリット・デメリットを見ていきましょう。
全カブセの特徴
全カブセの特徴は、ランドセルの開口部だけでなく、前面全体が隠れるようになっているということです。
ランドセルの形状としては最も一般的であり、今あるランドセルの大半が「全カブセ」となっています。
全カブセのメリットは、ランドセルカバーをつけやすいということと、ランドセルの前面部(カブセの下になる部分)に傷がつかないということでしょう。
逆にデメリットは、後述の半カブセよりは開閉がやや面倒であるということと、カブセの直径が長いぶん半カブセよりも「重い」ということくらいでしょうか。
しかし、重いといってもせいぜい数百グラムしか変わりませんし、この部分はあまり気にする必要はなさそうです。
見た目もごく普通のランドセルという感じですから、失敗したくなければ全カブセタイプのランドセルを購入するのが無難かと思います。
半カブセの特徴
半カブセの特徴は、カブセがランドセル前面の中ほどまでしかないということです。
サラリーマンが使うビジネスバッグを想像していただければよいでしょう。お洒落で普通のランドセルとは違う、特別感のある形状です。
半カブセのメリットは、錠前が鞄前面の中央に配置されているため、開閉しやすいということでしょう。
全カブセの場合、ランドセルの頭のほうから手を伸ばし錠前を外そうとすると、錠前が見えないぶん少々手間取ってしまう可能性があります。しかし半カブセの場合、錠前が鞄中央についていますから、開け閉めがしやすいのです。
逆にデメリットとしては、ランドセル前面部が半分露出する格好であるため、ランドセル本体が傷つきやすいということと、ランドセルカバーをつけにくいということです。
半カブセのランドセルはビジネスバッグのような横に広い設計となっていることが多いため、普通のランドセルカバーをかぶせると「余り」が出てしまったりして、見栄えがよろしくありません。
半カブセのランドセルを購入する場合には、併せて半カブセ専用のランドセルカバーを購入したほうがよいでしょう。
ランドセルのカブセについてまとめ
以上、ランドセルのカブセについてお話しいたしました。
一般的なのは全カブセですが、半カブセにもメリットはあります。お子さん・お孫さんとよく相談して決めてくださいね。
ちなみに、半カブセのランドセルはいわゆる「工房系」に多いものとなります。使用される素材が高級品になることも多く、ランドセル本体の価格もそれなりに高額である場合がほとんどです。
そのことを踏まえたうえで、全カブセにするのか、半カブセにするのか考えていただければと思います。